新型コロナウイルス影響
ACジャパン
前年より全国で7倍増
中京では前年比29倍に

     

前年の7倍以上に増加

表1 直近3年間のCM総出稿本数*1推移

表1 直近3年間のCM総出稿本数推移

集計期間:3/1 ~ 4/24

新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、CMの出稿状況に変化が起きています。ACジャパンの直近3年間のCM総出稿本数を比較すると、3月1日から4月24日までの全放送エリア*2の集計では、前年の7倍近く放送されていたことが判明しました(表1)。

  • *1全国27エリア*2の民放各局の累計 CM本数
  • *2関東・関西・名古屋・北部九州・札幌・仙台・広島・静岡・福島・新潟・岡山香川・熊本・鹿児島・長野・長崎・金沢・山形・岩手・鳥取島根・愛媛・富山・山口・秋田・青森・大分・沖縄・高知

WHO「パンデミックの可能性」発表
・臨時休校要請から急増

表2 全国出稿本数の前年同期比較

表2 全国出稿本数の前年同期比較

集計期間:1/1 ~ 4/24

2月27日にWHOがパンデミックになる可能性があると発表を行い、また政府が全国の小中学校・高校に臨時休校を要請しました。翌28日にACジャパンのCMが急増し、全国で1日に995本の出稿がありました(表2)。2月28日以降1日1000本前後の出稿が続いています。7都府県を対象に緊急事態宣言が発令された4月7日には、調査期間最多となる1936本の出稿がありました。

前年比はエリアごとに大差
最大は中京で29倍 
最小でも大分で3倍に

表3 エリア別 出稿本数前年同期比ランキング

順位 エリア 前年比 2020年 2019年 参考 2018年
1 中京 29倍 3,302本 113本 232本
2 福岡 24倍 3,459本 140本 356本
3 長野 21倍 2,480本 120本 295本
4 関西 20倍 4,612本 232本 387本
5 宮城 18倍 2,279本 126本 239本
6 関東 17倍 3,213本 186本 347本
25 富山 4倍 1,255本 303本 199本
26 岩手 3倍 2,058本 697本 585本
27 大分 3倍 2,493本 866本 814本

集計期間:3/1 ~ 4/24

3月1日から4月24日までのACジャパンの出稿本数を、放送エリアごとに集計し前期比を算出すると、全エリアで増加していることが判明しました(表3)。中京では前年の29倍の出稿があり、関西で20倍、関東で17倍と、大都市圏での急増が目立ちました。また、前年比最小でも大分の3倍となり、エリアごとに大きく差があるものの、ACジャパンの出稿量は全てのエリアで増加していることがわかりました。

時間帯では日中・GP帯の出稿増

表4 時間帯別 出稿本数割合 前年同期比

集計期間:3/1 ~ 4/24

ACジャパンの出稿を時間帯別の割合で分析すると、前年は比較的視聴率の低い深夜帯に集中していましたが、本年は日中と視聴率の高いGP帯(19時-23時)に多くみられました(表4)。また、出稿が全時間帯でみられることから、様々な商材にわたって差し替えが起こっていることが推測できます。

AC差し替えとは?
自然災害などの不可抗力の事象が発生した際に、広告主企業(スポンサー)の申請により自社CMからACジャパンのCMへ差し替えることがあります。AC差し替えの際は、原則広告主が出稿料を負担することになります。

テーマパークや映画のCM出稿が減少

新型コロナウイルスの感染拡大の影響により、2月下旬よりテーマパークや映画館などの休業が相次ぎました。
2月29日より休園が始まった東京ディズニーリゾートは同日よりCMの出稿がありませんでした。東京ディズニーリゾートの3月1日から4月24日のCM出稿は前年より4800本減っており、ACジャパンの出稿増加本数の9%に相当します。
一方、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンは、休園後も「臨時休業している場合があります。HPでご確認のうえご来場ください。」というテロップを差し込んで4月6日まで放送していましたが、緊急事態宣言の発令後の4月7日以降は放送されていません。3月1日から4月24日のCM出稿は前年より6030本減っており、ACジャパンの出稿増加本数の11%に相当します。
このように前年と比べて休業となった業界のCMが減少しており、ACジャパンへの差し替えが行われたと推測されます。

本ホワイトペーパーでは、出稿量はテレビCMの本数ベースで集計・表記しております。
Madisonをご契約いただいたお客様は、放送エリア別にGRPベース(述べ視聴率ベース)で確認することができるようになります。
Madisonは、2014年10月以降の全国のCMデータを蓄積しています。